郷土史とアナログ盤の日々

苫小牧からです。 郷土の歴史に興味があり、あちこち巡っています。 巡った場所や調べたことなど整理したいと思いブログを始めました。 その他、大きな愛情を持って楽しんでいるレコード、アナログ盤についてもちょっと触れたりしています。

苫小牧 アッシュブロック住宅②

市内には王子社宅、西町住宅博覧会以外にもアッシュブロック住宅が現存しています。

末広町にあるこの御宅は現在も居住中のため良い状態が保たれていて、大変味わい深いブロック住宅です。

ここで使われている小さめのブロックは初期の頃のアッシュブロックだそうです。

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なお、この道路の中央分離帯はかつて用水路で水が流れていました。

昔の地図を見ると所々用水路を渡る橋がありました。

またこの住宅から海の方へ向かうと苫小牧東中学校があります。

苫小牧東小学校と合併する為の工事により、グランド角にあった古〜い武道場は昨年取り壊されてしまいました。

とても良い雰囲気の建物だったので残念です。

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もう一つの現存するアッシュブロック住宅は坊主山麓の王子緑化敷地内にあります。

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ここは元々は個人の住宅だったようですが今は王子緑化の物置として使われています。

壊さずに使ってくれて嬉しいですねー。

さて、古くからの苫小牧住民ならご存知かと思いますが、この坊主山麓から今のバイパスにかけての一帯はかつて大きな沼でした。

地主さんの名前から「佐羽内沼」と呼ばれ、ボートがあったり冬はスケート場として市民の憩いの場だったようです。

f:id:sugi0144:20200417225358j:image(出典:ふるさとの記録 苫小牧、昭和30年代の町並み〜一耕社出版〜)

昭和40年代後半には埋め立てられ、住宅地として開発されました。

なお当時、沼にいた魚は出来る限り生け捕りして錦大沼に移したそうです。

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住宅として現存するのは①、②で紹介したものだけのようです。(王子製紙工場敷地内には色々あるようですが)

但し、アッシュブロックを使った塀はあちこちに残っています。

アッシュブロックは王子工場内で作られていただけに当時王子不動産が分譲した建物の塀には結構な頻度で使われているそうです。

今後は解体される前に、ぜひアッシュブロック塀の観察を続けていこうと思います🤗