国道36号線 旧ルートについて(錦岡)
苫小牧を東西に貫く国道36号線。
その36号線に旧ルートが存在したことはあまり話題に上らない。
しかも錦岡と植苗の二ヶ所もあったのに。
今回は錦岡の旧ルートについて紹介します。
(昭和38年の航空写真)
現在の36号線、錦岡地区は海沿いを通りますが以前は線路を挟んで山側を通っていました。
航空写真は現ルート開通後の昭和38年のものですが、昭和35年5月の苫小牧市広報に現ルート舗装工事のお知らせが掲載されていましたので、現ルート開通は昭和35年後半と思われます。
さて、旧ルートですが市内から室蘭方面へ向かうと海側にダイナムというパチンコ店があります。ダイナムを過ぎるとすぐ右手に踏切があります。
この踏切が旧ルートの入り口になります。
なおこの踏切の名称は「札幌通り踏切」、36号線は昭和27年に国道と規定されるまでは札幌本道(札幌通り)と呼ばれていたので、まさにここが札幌通りにある踏切だったのですね。
この踏切を渡って錦多峰川を越えたところに明治天皇行幸記念の碑が建っています。
明治天皇は札幌本道(現36号線)を通って行幸していましたので、そのことからもここがかつて旧ルートだったことが明らかになります。
旧ルートはこの後、錦岡駅前を通り、そのまま真っ直ぐ樽前方面へ。
樽前に到達すると突き当たりを左に進み現ルートに合流します。
なおここの踏切にも、この道が旧ルートだったことを明らかにする名称がついています!
その名もズバリ「旧国道36号線踏切」
なぜ当初は真っ直ぐ海沿いを通らなかったのか?
資料が見つけられず確かなことは分からないのですが、錦多峰川の河口辺りの蛇行が酷くて昔の技術では道を通せなかったのでは?という意見があります。
確かに航空写真を見ると、川が激しく蛇行しているのが分かります。
錦多峰川は昭和50年前後に大規模な改修工事を行いキレイに直線化されました。
それにしても、約60年前は駅周辺に集落があるくらいで他は何にもなかったのですね。