郷土史とアナログ盤の日々

苫小牧からです。 郷土の歴史に興味があり、あちこち巡っています。 巡った場所や調べたことなど整理したいと思いブログを始めました。 その他、大きな愛情を持って楽しんでいるレコード、アナログ盤についてもちょっと触れたりしています。

国道36号線 旧ルート(植苗)

前回のブログで国道36号線の錦岡旧ルートについて書きましたが、植苗にも旧ルートがありました。

下記図の「大曲」と書かれている部分がそうです。

f:id:sugi0144:20200525142112j:image(植苗美沢のあゆみより) 

昭和27年の航空写真では大曲のルートがくっきり写っています。

f:id:sugi0144:20200525142257j:image国土地理院 昭和27年航空写真)

同じ位置の現在の航空写真はこちら。

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旧ルートの跡らしきものは何となく確認出来ます。

分かりやすいように旧ルート跡らしきところを白線で示してみました。

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なおこの不自然な大曲ルートの理由を知りたくて調べてみたのですが、今のところ分かっていません。

美々川がひどく蛇行している部分なので

恐らくは地質的、当時の技術的な問題でこのようなルートが採られたのではと推測しています。

またルート切り替えの時期ですが、これもはっきりした資料が見つかっておらず、直線の新道部分は北海道が寒冷地向けの試験道路として敷設したもので、この工事が昭和35、6年に行われているので工事完了次第切り替えられたと推測しています。

「植苗美沢のあゆみ」にも"千歳から美々坂を下った大曲のところで大きく西に迂回していた"としか書かれておらず、疑問が残ったままです。

参考までに旧ルート出入り口の現在の写真を掲載します。

苫小牧寄りの出入り口。

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現在民間企業の土砂採取場となっているため勝手には入れません。

そして千歳側の出入り口。

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こちらは入れそうなので少し奥まで行ってきました。

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国道と呼ぶには貧相でしたが一応道の跡らしきものはありました。

この出入り口にフェンスに囲まれてコンクリートの残骸が並べられているのですが、これ使用済みのコンクリート製橋梁の耐久実験を行なっているそうで、150年間置いといてコンクリートの変化を観察してるんだとか。

そんな壮大な計画が旧道の跡で行われているなんて思ってもいなかったです。

 

市内における国道36号線の旧ルートですが、実はもう1箇所あるんです。

一本松、柳町辺り。

ここも港の工事に合わせて切り替えが行われているので時期としては錦岡、植苗と同時期なんですが、同じように資料がほとんどありません。

もう少し調査を続けますので整理出来次第書きたいと思います。